それにしても

 それにしても、である。賀も亀もめでたいことばではある。しかし、十と千では百倍も差がある。それはまさに実力の差である。千賀に対して十亀では、…勝てる筈もないのである。投手力の弱さ、というより先発ピッチャーのタレント不足は、ペナント中は見て見ぬふりをして来たものの、短期決戦ではやはり壊滅的なものなのであった。おそらく、西武は四連敗でシーズン終了であろう。何と言っても、初戦が痛かった。後からは何とでも言えるのだが、初戦の9回、1点ビハインドで、何故増田ではなく榎田だったのか。予想通り榎田は打たれ、逆点の目は摘まれた。二戦目の2点ビハインドの9回に増田を投入して0点で抑えたのを考えれば、あの投手起用がすべてではなかったかと思う。もはや、これで敗退して辻監督に泣いてもらいたくはない。悔しいなどと言えるチームと監督ではなかったと、さはさばとしていなければ阿呆らしい。一時のホークスのように、CSの呪縛を経て、フロントも選手層に厚みを持たせることの意義を知るのだろう。はっきり言ってホークスよりライオンズの方がレギュラーでは明らかに格上の選手が揃っているのに、控えの選手の質が違い過ぎる。福田にしても長谷川、明石、川島、高田など、中途半端と言えばその通りの選手たちだが、そのレベルの控えがライオンズには皆無なのだ。投手に至っては、何をかいわんやである。悲しい哉、情けない哉。熱かったチームの敗退が、秋を余計に冷え冷えとした寂しいものにすることに、やっと気がついた感じである。