七月三十一日(火)晴
通勤の往き帰りに歩くいたち川沿ひに県立高等学校が在り、歩道と学校の金網のフエンスの間は植ゑ込みになつてゐて春の櫻を始め、四季折々の草花が咲いて目を樂しませる。今は白紛花が咲いてゐる。少し前まで咲き誇つた萼紫陽花の花は枯れ、葉を繁らせるのみとなつたが、花が落ちて初めて、其の根が高校の敷地の側にあつてフエンスの網目から枝葉を延ばして歩道側に花を咲かせてゐるものもあつたのを知つた。植物の繁殖力と言つてしまへばそれきりだが、ことさらに目につきやすい処に咲いてゐてくれたことに、何やら健気さのやうなものを感じもするのである。
あじさいや境を越えて花は咲き 乞子
あじさいや枯れてあらはる棲家かな 冽仙
あじさいの花に埋もれる川ざかひ 乞子
あじさいや花散るまでの仮すまひ 冽仙
【今日のことば】「ゴネ得ジヤパン」
・・・何処ぞの國の御家藝を奪つてはいけません