一讀瞠目

十一月二十一日(木)晴
前田愛著『成島柳北』讀了。今まで此の著者の力量を見誤りてゐたり。忸怩たる思ひを禁じ得ず。柳北その人とその生きた時代を活寫する洞察と考証、正に瞠目すべきものあり。柳北を知るのみならず、初めて前田愛を知る。早速同氏著『幕末・維新期の文學』も註文す。此の日又新日本古典文学大系『江戸繁昌記・柳橋新誌』届く。『花月新誌』も讀みたしと思へど、横濱市立図書館所蔵の復刻は禁帯出、古書は全巻に近きもので壱拾八萬九仟圓の高額に達す。如何はせん。夕刻歸宅するに俄かに喉痛み悪寒あり。感邪なれば早々に寝に就く。