好みの違い

 朝の連続ドラマは結局見るのを止めた。二階堂ふみは良いのだが、夫役の窪田なんとかという男優の演技が見ていられないからである。福島弁も下手くそだが、とにかくオーバーアクションで台詞がまるで響かない。演じている役の人物自体も確かに共感を覚えにくいということはあるが、それにしてもこれほど魅力もなければ、感情移入のしにくい役者というのは珍しい。これが世間で受け入れられているのだとしたら、わたしの感覚は一般とはずれているに違いない。わたしは最近とみに嫌いなものや人が増えていて、これも歳を食ったせいとも思われるのだが、一方で新しく好きになったり感動することがないわけではないから、世間と「好みの違い」が大きすぎるというだけなのかも知れない。この連ドラの最初に流れるテーマソングを歌う歌手の声もわたしが大嫌いな声質である。

 それと、世間、特に女性には人気があるという西島秀俊という俳優もわたしは苦手である。何本か出演している映画を観たのだが、映画がすべてつまらなかったということもあるが、それ以上に、この人の演技というか演技力のなさに辟易させられるのである。いつもどこかつまらなそうな顔でぼそぼそと台詞を棒読みしている感が強い。嘘くさい、と思うのはパナソニックのコマーシャルなどで、「女性が望む理想の夫像」を恥ずかしげもなく演ずるからということもあるだろうが、何か本心が少しも伝わって来ない男である。実際そういう役も少なくないのだが、どこか醒めていて人を馬鹿にした演技に思えて仕方がないのである。もちろん、二枚目だから嫌いという訳ではない。二枚目で好きな男優はゴマンといるし、正直西島は女性の人気ほど恰好いいとも思えない。嫌いな人やものを公言するのは憚るべきとも思っていたが、限定公開ブログということもあり、我慢できずに書くことにした。

 最近ユーチューブではまったのは、太田光と神田伯山のトーク番組で、面白くてこの前の土曜はほぼ丸一日これを見て終わってしまった。このふたりの性向や嗜好はかなり自分に近い気がしている。太田など中二病そのままだが、自分にもそういうところがあるのは気づいている。ただ、人間的には太田の方がかなり優しくて許容力もあって、とても叶わないなとは思うのである。