2010-01-01から1年間の記事一覧

十月十九日陰 

朝晩寒し。昨夜夜坐をしたせゐかわりと良く眠れ、六時に起床し読書。末木文美士『近代日本と仏教』を読む。禅宗について書かれた論文だけ拾ひ読みをするつもりだつた本だが面白いので通読してゐる。丸山真男の仏教や日本の基層に関する諸論説への考察は、丸…

脳の得手不得手

昔、香りを嗅ぎながら脳波の測定をしてもらつたことがある。東邦医大の鳥居先生の研究の被験者として、香水を嗅いで官能的な想像を働かせてゐる際の脳波のパターンを見るといふもので、後からどこかに発表されてゐたのを見た覚へがある。その時の予備実験で…

東大宗教学科と京都学派

ぺりかん社といふ出版社にはこれまであまり馴染みがなかつたが、思想史や宗教史関連のかなり良い本を出している。バリバリの学術書と一般向けの中間のやうな感じで、わたしには丁度良くて便利である。学界への目配りと気鋭の発掘への意欲とのバランスが良い…

自分で自分の本のレビューを書く人もゐるらしい

アマゾンのカスタマーレビューは、時々とても参考になるものがある。新聞の書評など内容をきちんと要約しないものが殆どだが、アマゾンではよく国語の試験の模範解答のやうに要旨がまとめられてゐるものを見かける。特に思想関連のものは、小まめに論旨を抽…

十月十四日 陰

昨夜今北洪川著『禅海一瀾』読了。江戸期に書かれたる、儒家の言辞を禅の精神にて説く書にして用字用語晦渋を極め、僅か百頁にも満たざる小著なるも読解に十日以上を費やす。岩波文庫版の読下し文にて此の態なれば漢文白文にては到底歯が立たざらむ事は明ら…

新しい名前

最近寝つきが悪く良く眠れない上に早くに目が覚めてしまふので一日中眠気が去らない。頭痛も慢性化してゐる。朝目が覚めても起き上がることもできず、暁天坐禅(朝の坐禅)を出来ないことが多くなつたので一昨日から夜坐に変へて、寝る前に坐ることにしてみ…

京都学派

末木文美士の『近代日本と仏教』を拾ひ読みしてゐる。流石に『日本仏教史』や『日本宗教史』の著者だけあつて、学説や論評を概観といふか俯瞰的に捉えるのが上手く、わたしのやうな初学者には示唆に富んでゐて有難い。中に京都学派について書かれたものがあ…

休日

十月十一日(月)晴 終日家に在り。読書及び通信執筆に費やす。J.E.ケテラー著『邪教/殉教の明治―廃仏毀釈と近代仏教』読了。明治中期までの仏教界の動きを理解するに資するところ大なり。明治の仏教に愈々興味津々となる。国家神道のみならず、廃仏毀釈のト…

女優たち

十月十日 日 雨後晴友人の個人紙に触発された格好で朝から映画を観に行く。久しぶりの飯田橋ギンレイ・ホールである。上映されたのは『パーマネント野ばら』と『春との旅』の二本。『パーマネント野ばら』は菅野美穂主演。四国の鄙びた漁港を舞台に、菅野演…

月見座頭

薪能二日目は雨のために中止となつた。 午前中にネツトで早々に其れを知つたわたしは、手持ち無沙汰に尺八を吹いて午前中を過したが、止まぬ雨に円覚寺への参禅も取り止め、午後になつてふと思ひ出して永井龍男の『秋』を書棚から取り出して読み直してみた。…

鎌倉薪能の夜

鎌倉駅より徒歩大塔ノ宮に往く。黒い幕で覆はれた鎌倉宮は普段と異なる雰囲気にて既に見物客で賑はふ。券を示して入場し、前から八列目ほぼ中央のわりと舞台に近い席に就く。五時前より各種案内の放送が入り、ミス鎌倉の紹介があつたり、今日の見所の説明な…

千夜七百冊と五十七仏

松岡先生の「千夜千冊」の通読、七百夜に到達。取り上げられた本の二割を所有、十三パーセントを読了してゐる。ところで、この千夜千冊といふ企ては、多くの本の中から良いものだけを選りすぐつた、言つてみればセレクトショップのやうなもので、松岡先生は…

疲労

ブログをアップしやうと、会社で昼休みに打ち込んでメールを家に送つたところ、其れが文字化けしてをり本日は更新出来ず。苛立ちを禁じ得ず。抑々このブログの編集画面が使い難い。余は平仮名変換を使ってゐるのだが、変換するごとに大文字英数に戻つてしま…

三時半起床。ストレッチ、坐禅、読経及び「無門関」を講読。其の後読書するも睡魔に襲はれ再び寝る。定時出社。此の日先日受けた取材を元に書かれた雑誌記事原稿につきVogue日本版の編集者I嬢とメールでやりとりす。余は自らの紹介文から会社名を除くやう頼…

或る休日

十月三日(日)陰時々晴 七時半過ぎ起床、朝食、洗濯の後図書館に行き予約の本含め四冊を借る。書名は下記の通り。 い)J.E.ケテラー著『邪教/殉教の明治―廃仏毀釈と近代仏教』 ろ)末木文美士著『近代日本と仏教』 は)戸川安章著『新版出羽三山修験道の研究』…

都内散策其の他

庚寅 神無月二日 晴六時起床。七時家を出で、九時より早稲田喜久井町の一如庵にて尺八稽古。流し鈴慕、虚空を吹く。十時過ぎ穴八幡の青空古本市に赴き数書を購ふ。宮崎滔天「三十三年の夢」を終に適正価格にて入手。昼はすず金にて鰻を餐す。其の後目白に出…

庚寅 神無月朔日 陰 五時半起床、坐禅一炷の後出勤。朝礼とて下期に向けた訓示あり。K部長の説明体を為さず。哂ふべし。定時退社し、買物して帰る。六時半帰宅後尺八練習。虚空を二尺三寸と一尺八寸で吹く。其の後独りで夕餉を食す。日乗始めたりと言へども…

開始宣言

この度つひに時勢の流れに屈し、ブログを始めることとす。 未だ使ひ方も定かならねど追々整備の上書き上げてゆくつもり也。尚、此の日以前の記録も追々書き足してゆく予定なれば、開始以前の日付のブログも在ることを了解されたし。

出羽三山

朝六時鶴岡駅前からバスに乗り羽黒山頂に至る。乗客は余の他に五名。此処で降りるのは余のみにて、他は其の儘月山八合目まで乗るやうである。七時前の清清しい空気の中人気のない境内を歩み、三神合祭殿に到り参拝。バスより途上に見た宮下坊などといつた建…

川西町のダリア園

朝九時過ぎ東京発の山形新幹線で赤湯に行く。営業の某氏とレンタカーで得意先に向ふ。打合せの後近くの中華料理店で昼食を取り、其の後余のみ先方のO本部長の運転にてダリア園に赴く。山形の人は総じて親切だが、此の本部長さんも気さくで親切な方で、前々回…

演奏会

朝から四天王寺で見た雅楽公演の情報を得るためネットを探索し、序に文楽の公演の情報を見てゐたら、此の日の午後国立劇場で尺八の演奏会のあることを知り、急遽行くことにす。急ぎ入浴の後出発し、十二時半に着く。如道会のO夫妻に遇ふ。一時より開演。演目…

尺八の演奏会

*[尺八]

四天王寺

九時過ぎ新大阪に着き、地下鉄で天王寺に往く。徒歩にて四天王寺に至る。彼岸の時期に加へ二十二日は聖徳太子命日とて境内周辺参拝客、出店等で雑踏甚だし。かつ此の日は異例の暑さにて疲労困憊す。抑々四天王寺参詣を思ひ立つたのは過日「説経節」信徳丸を…