2010-01-01から1年間の記事一覧

外苑の公孫樹並木

十一月二十四日(水)晴 午前出社、午後半休を取つて青山に出向く。新規に香料使用を検討中の某社との仕事絡みの打合せの為の外出なるも、上司の無理解は目に見えてゐるためまずは休みをとつて行くもの也。今回は同社経営者を知る方より余に直接話があり、先…

十年前

十一月二十三日(火) 十年前の今日、みどりさんと亜姫乃がニューヨークJFK空港に降り立つた。わたしは車で迎へに行き、新しい生活が始まつたのである。大切な思ひ出の日々であると共に、其の後にわたしが与えてしまつた苦難を思ふと、悔恨の気持ちの消え…

八幡神と神仏習合

十一月二十二日(月)陰後雨 十七歳の時、関西から夜行急行で九州に入り、朝早く宇佐の駅に降り立つた。駅名板にローマ字で「USA」とあるのが面白く、帰つたら友達にUSAに行つて来たと自慢しやうと思つてゐた。歩いて宇佐神宮に向ふ。朝靄の中鬱蒼たる…

鎌倉の日蓮

十一月二十一日(日)陰時々晴時々雨 暖かき秋の好日となる事を知り鎌倉散策に出づ。横須賀線及び北鎌倉駅周辺は正月の如き人出にて驚く。北鎌倉より円覚寺前を通り鎌倉街道に出て、狭い歩道を緩緩と歩む観光客を追越し、長寿寺横から亀ヶ谷切通しを抜けて扇…

書架整理完了

十一月二十日(土)晴 朝長井を発ち帰宅二時。今回出張の往復の電車中読書捗る。先日届きし文庫用本棚の梱包に使はれた段ボールを片付ける。ネツトで物を買ふとやたらに段ボール始め紙塵が増え始末に困る。今回も文机、ホツトマツト、本棚と合間に本が届いた…

長井の夜

十一月十九日(金)晴 東京発山形新幹線にて赤湯に到り、担当営業H氏運転のレンタカーにてK社に赴き香料提出を行ふ。H氏先日来K社より電話にて依頼されし件につき何も為さざるは明白なるも、的外れなる講釈を始めて話題を逸らす事に懸命なり。其れ以外は…

就学浪人

就職浪人といふ言葉を最近よく耳にするが、考へてみると其れはをかしな言ひ方だ。仕官先のない侍を浪人といつたのだから、学校を終へて就職できずにゐる人は唯「浪人」と呼べばすむ話である。寧ろ今普通に使われてゐる、大学に入れず次の年の試験まで予備校…

異臭懇談会

七時より品川の居酒屋にて「異臭懇談会」なる異業種・異臭の集りに出る。余の参加するのは三回目にて、本日は中心メンバー五名。もともと食品や飲料の品質保証上で問題となる異臭の分析や同定に関る人たちのネツトワークが、匂ひや香りの業界の人間を巻き込…

書棚の整理

十一月十六日(火)晴 此処数日飄眇亭の書棚の整理を進めてゐる。殆ど読む事のなくなつた小説の類の文庫本を抜き取り、二階に移す為である。日本文学の文庫本が一番多く、次がフランス文学、次いでドイツ文学の順である。その後はロシア文学と英米文学が同じ…

外人がぎよつとする日本のブランド

日本人には馴染みのある商品名でも、英語圏の外国人にはとても信じられないネーミングといふのはあるものである。勿論其の逆もあつて、日本語の片仮名表記にすると口にするのも憚られるやうな名前もたまにある。今日は前者を三つ。 まずは「カルピス」。「ピ…

ご馳走・八幡神・稲門会

昨夜は会社のレクリエーシヨンなる催しがあり、茅ヶ崎の車屋てふ日本料理店にて会食。年配組のテーブルなれば話も弾まず、余は酒も呑まざれば只食べるのみ。余りに豪勢なれば献立を下記に挙ぐ。 【温物】 蕪菁蒸し 焼き白子 生うに 吉野餡 山葵 【前菜】 数…

金曜日

十一月十二日(金)晴 やつと金曜。今週は月曜日の午前中に、人に仕事を頼んだ際「今週中でいいですか?」と聞かれ、「それは無理だろうから、来週中でいいよ」と答えて怪訝さうな顔をされた。わたしは其の日が金曜だと勘違ひしてゐたのである。皆の失笑を買…

国家神道

島薗進著『国家神道と日本人』読了。国家神道なるものの成立とその内実の極めて明快な見取図を与へてくれる好著だが、若い頃に村上重良の『国家神道』や『天皇の祭祀』を読んで大いに啓蒙された気になつてゐた世代としては、其の偏りや誤つた認識を指摘され…

一億円の憂鬱

昨夜の事。定時退社後駅前で食品の買物をして綺麗な三日月を見ながら家に戻る。尺八を吹いてしめじの味噌汁を作り買つて来た金平牛蒡と倶に夕食をとつたまでは良かつたのである。それが、其の後文机やホツトカーペツト等を購入するため嶺庵の寸法を測つたり…

嶺庵の話

十一月九日(火)晴 昨夜嶺庵の畳の配置を変へる。四畳半程の広さのフローリングの洋間に畳三枚を縦に敷き並べてゐたのを、縦一横二にしたら随分と雰囲気が変はつた。床の間代はりの飾り畳の位置も移す予定で、今度は壁面を背にするので掛軸を掛けられるやう…

骨董市

十一月七日(日)晴 昨夜日本シリーズ第六戦を延長戦となつてからラヂオにて聴き始め、終に延長十五回にて引分になるまで眠れず。中日の拙攻目を覆ふばかりなり。是では勝つ事難からむ。従つて今朝はやや寝坊す。 午前中冬物の洗濯などする内直に昼になり、…

衣替へ

十一月六日(土)晴 衣替へを行ふ。最近では九月は夏であり十月も寒くないから夏物を仕舞ふのを昔より一月くらゐ遅らせないといけない。その一方で寒くなるのも急だから困るのである。 亜馬孫よりまた本三冊届く。 『日本仏教史』末木文美士著 新潮文庫 『日…

初暖房

十一月五日(金)晴 定時出社。昼は社員食堂にてカツカレーを食す。定時退社。大船にて古本屋を覗き二冊を購ひ、不図目にした拉麺屋に入り先日来食したかつた拉麺を食べる。醤油味也。其の儘大船よりバスで帰宅。余りに寒ければ此の秋初めてエアコンの暖房を…

尺八曼荼羅

十一月三日(水)晴朝晩寒し 午前中洗濯掃除など為し、尺八練習を二時間程行ふ。午後三時過ぎ家を出で電車にて神楽坂に往く。電車の中で偶々若いカツプルの拉麺を話題にするを耳に挟み、余としては珍しく拉麺を食したく神楽坂界隈を往来するもこのやうな時に…

黒谷・三条通り・飢餓海峡

十月三十一日(日)陰後雨 五時起床。昨夜の坐禅は永平寺を経たせゐか坐禅そのものは辛くはなく、其れなりに工夫は出来たと思ふが、其れでも雑念は去らない。暁天坐禅は恒例通り法堂で行ひ、丁度わたしの向いた方向が東だつたため夜明けと共に明るく成り行く…

日吉・石山巡礼

十月三十日(土)陰時々晴 心配された台風も近畿からは遠ざかり、終日傘を開く事もなし。七時過ぎホテルを出で京阪特急にて三条に出る。コインロッカーに荷物を預け、地下鉄、京阪経由で滋賀県の坂本に到る。坂本駅到着九時十五分過ぎ。駅近くの観光案内所に…

雅楽の宴

十月二十九日(金)晴 昼間得意先を廻り五時前ホテルに戻る。軽装に換へてから近くの天神橋商店街を歩む。庶民的大阪的なアーケード街なるも古本屋多く、目当ての天牛書店他を覗く。森茉莉「贅沢貧乏」350円、唐木順三「日本の心」100円を購ふ。其の儘梅田ま…

寺門と国宝

十月二十八日(木)雨 午後三井寺に往く。寺門として、また謡曲「三井寺」の舞台としても有名な園城寺也。大学入試の日本史で其の名を知つてより此の方長い事訪ねたく思ふも果たせずにゐたものなれど、竟に念願叶ふ。山門前の精進料理店風月にて「三井の晩鐘…

清源流の資格

十月二十七日(火) 昨夜睡気甚だしく十時就眠して今朝六時半まで眠る。八時間半睡眠。昨日は朝大船まで三十分歩き意外に暑く汗だくになるも、帰りには北風身に染む寒さとなる。 先日清源流の資格を制定したので此処に転載する事とす。清源流資格一覧-初伝 …

上洛

明日より京都方面に出張也。週末も其の儘滞在して寺社見物等の予定なれば日乗も暫く休止とす。急に寒くなりたれば着る物に苦心す。到頭見栄へよりも防寒実用性を優先するやうになる。スーツにゴム底の歩きやすい靴といふ、絶対やらなかつた組合せに踏み切る。…

花の劣化

十月二十五日(月)陰 出社後木曜からの出張の準備に忙殺さる。とは言つても定時に退社、帰宅後一時間尺八を吹くこと常に変らず。下に掲げたる、土曜に生けし嶺庵のダリアの花既に衰ふ。花の命の短さを痛感す。最近女性芸能人の容色の衰へをネツト上にて「劣…

応挙「雪梅図」

十月二十四日(日)陰後雨 午前、日本橋三井美術館に赴き円山応挙展を観る。眼鏡絵と呼ばれる西洋風遠近法を取り入れた若描きの着色風景画も面白く見るも、矢張白眉は襖及び屏風絵たるは論を俟たず。就中草堂寺所蔵「雪梅図襖」は雪に梅てふ月並なる絵柄なれ…

家元の一日

七時起床。朝食の後掃除洗濯。九時過ぎ近くのいたち川べりを歩み、芒や名も知らぬ秋草を刈り家に持ち帰る。其の後自転車にて図書館に行き四冊を借りる。神仏習合、廃仏毀釈関連也。昼前駅まで歩み新入門のS氏を迎へ、駅前にて倶に昼食を取る。それから花屋…

東京藝術大学

朝から上野に赴き、パリのEcole des Beaux Arts(美術学校)の教師二名、学生九名と倶に東京藝術大学を見学す。彼らは二週間程日本に滞在し、京都や東京の印象を元に作品を創るといふ。今回の来日が余の勤める企業の支援したるものなれば其の縁にて偶々仏語…

日本フレグランス大賞

十月一日、第一回日本フレグランス大賞なるものが発表された。 ところが、そのウェッブを見ても、主催のフレグランス協会なるものの実体がよくわからない。賞の趣旨や選考方法、各賞のカテゴリー分類も含め不透明で、少なくとも業界やマスコミの大勢を巻き込…