2019-01-01から1年間の記事一覧

水石と竹韻

上野の東京都美術館にて「日本の水石展」を觀る。出品數も多く樂しむを得る。水石は長年の趣味なれど、これほど多くの水石を一度に觀るのは初めて也。廣小路で晝食の後午後一如庵に赴く。二時より如道會例會にて、竹韻に接す。余は布袋軒鈴慕を吹く。三月の…

バブルの総括

岸宣仁著『賢人たちの誤算―検証バブル経済』を何日か前に読み終えた。社史の執筆で80年代後半から90年代に至り、自分が入社した後の時代となり、あらためてあの頃のことを詳しく知りたいと思いあれこれ読んでいる。中でも『日本経済の記録』第一巻はニクソン…

顔真卿

遅れ馳せながら顔真卿展に行って来た。金曜の夜であったが、ロッカーに荷物を入れるのにしばらく待つほどの混みようであった。展示品は実に多彩であり、漢字の成り立ちから書体の確立を追えるようになっているのは親切だが、如何せん混雑して中々進まないの…

廃墟の美

あるフランス人女性と喋っていて合点がいったことがある。自分もつねづね感じていた、茶道のインチキくささを見事に言い当てていたからである。彼女は日本に来て11年、鎌倉市の骨董店で働いている。日本語は全く問題なく話し、着物が好きだという。家内が知…

就活

雪の舞う土曜、某化学系の学会が主催する、理系学生向け就職関連のイベントにパネリストとして参加した。30分ばかり会社の研究開発体制などについて話をして、次に演者6人が壇上に座って学生からの質問に答え、さらに会場を移して、各演者が散らばって、関心…

奇跡

1986年から1990年にかけてパリに駐在し、帰国後も1994年頃までテレビジョンセットを買わなかったので、その頃の番組やコマーシャルをほとんど知らない。今日英語の勉強であなたチューブを見ていて、たまたまその頃に流れていたポカリスエツトのコマーシャル…

ジャン-フランソワ・ラティ

ジャン-フランソワ・ラティが亡くなった。 Givenchy Ⅲ, Lumiere(Rochas), Jazz(YSL), Eau Dynamisanteなどの作者として知られるパフューマーである。年明け早々に亡くなったと、香水の情報サイトにあった。悲しい知らせである。最後に会ったのは25年くらい前…

サード

家内とクイーンの話をしていて、本田美奈子がブライアンに曲を作って貰ったことに話が及んだ。わたしが、生きていれば三原順子のような変なおばさんにならずに、きっと素敵な女性になっただろうと言った。若くして亡くなった芸能人にはすごい人が多かった、…

鎌倉日和

一月十九日(土)晴 比較的暖かい一日であつた。十一時過ぎ家を出で徒歩北鎌倉に向かふ。途中で早めの晝食をとり圓覚寺に入る。賣店で線香「風韻 伽羅」を購ふ。我が家では伽羅天平とともに常用するもので、大分減つて來たので買ひ求めたものである。其の儘鶴…

サッカーと相撲

一月十五日(火)陰後雨 ワインを飲むようになって思うのは、ワインというのは世界中で作られ、それぞれに特徴や長所があるということだ。世界規模の酒であり、産地にも多様性がある。これはスポーツで言えばサッカーなのである。それに比べればウィスキーで…

コマーシャル

一月十四日(月) 老婦人が悲しそうな表情をしている。視線の先に壊れて捨てられた電気スタンド。 【回想】真新しい電気スタンドが届いて嬉しそうにしている女の子の笑顔。 壊れた電気スタンドに戻ると、そこに手紙が添えてあるのに老婦人が気づく。手に取って…

忘却症

一月五日(土)晴 午前執筆、午後散歩の後映画『トト・ザ・ヒーロー』を観る。泥の河を観たら、どうしても観たくなったのである。細部はやけに記憶に残っているのに、ラストへの展開をすっかり忘れていた。優しく健気な姉アリスのことや、彼女が事故死する場面…

泥の河

一月四日(金) 映画『泥の河』を観る。封切時に観ているから37〜38年ぶりである。わたしの中で「姉三部作」のひとつであり、まだはたちそこそこだったわたしはきっちゃんの姉銀子ちゃんに憧れたのをよく覚えている。ちなみに他の二作は『トト・ザ・ヒーロー…

來客

一月三日(木)快晴 7時半起床、ストレッチ、入浴、朝食の後散歩一時間ほど。途上で水仙ほかの花を採り、歸宅後茶花を活ける。掃除の後晝食。午後書斎の片づけなど。三時半驛に行き大學の後輩Sを迎えに行く。一茶の後嶺庵で末永節の書軸を前にして清談。二…

垣間見

一月二日(水)快晴 午前執筆を續けるも気に入らず破棄。其の後第二日曜の香席で執筆を務める爲、其の練習で久しぶりに筆を執る。筆を洗つてから散歩に出掛ける。今朝体重計に載つたら史上最高の重さになつてゐたので危機感を抱く。一時間程川沿ひの遊歩道を…

昨日の延長

己亥元旦 よく晴れた一日也。午前中近くの神明社に初詣に行く他は執筆。午後讀書。夕刻映畫『夢二』を観る。此れで鈴木清順三部作を観おはる。流石に映像は美しく、分かりやすくはないが作り込んだシナリオは唸らせるものがある。毬谷友子といふ女優をはじめ…