寺社巡り

枯山水・茶室・三門

六月五日(火)陰 七時半起床。九時前ホテルを出で地下鉄にて蹴上に到り、徒歩南禅寺に向かふ。金地院を初めて拝観。今まで南禅寺は何度となく訪ねてゐるし、隣の天授庵などは数回拝観してゐるのに、何故か不覚にも此処は訪ねずにゐた。今回偶々僅かの時間を得…

萌緑濡れるが如し

四月二十八日(土)快晴 八時半ホテルをチエツクアウトして荷物を預けてから山陰線にて花園まで行き徒歩法金剛院に至る。九時過ぎやつと門が開き拝観。余は庭を目当てに行くも、京に珍しき律宗寺院なるが故に財政厳しいものか庭はやや荒れて写真で見る程は美し…

東福寺伏見宇治―新緑に酔ふ

四月二十七日(金)快晴 昨日までの雨混じりの曇天が噓のやうに雲ひとつない晴切つた空也。九時前ホテルを出でるも京都駅で奈良線の電車一本乗り遅れたところ二十分近く待たされる。乗つて三分のところに二十分待たされるは苦痛にて、出鼻を挫かれたるやうな気…

達磨龍田中宮

四月二十六日(木)陰時々雨 九時前徒歩にて大阪支店に赴き、営業M氏の運転にて出発。約束は午後なれば途上にある寺社を訪ねることとし、まず達磨寺に向かふ。聖徳太子に纏はる伝説を伝ふる寺にて、一旦廃絶後再興されしものにて今はさしたる見どころなし。藤…

京都の人

三月三日(土)晴 七時起床、シヤワーを浴び朝食の後八時過ぎI邸を辞して、門戸厄神より阪急を乗り継いで西院に至る。駅近くの道に赤いビツツで待ち受けたるはN子の知人で京都在住のM田さん也。嘗てN子が住宅建設会社に出向の際、宣伝に使ふ為同社で家を建…

京阪往復

三月二日(金)雨 宿酔を残して起床。予定よりやや遅く八時半過ぎホテルを出で、渡辺橋より京阪にて祇園四条に至る。雨の中鴨川を渡つて阪急河原町駅に行きコインロツカーに荷物を預けてから再び京阪祇園四条に戻り、一駅分電車で南下して五条で降り、再び徒歩…

大阪の夜

三月朔日(木)陰 七時前N子と倶に家を出で新横浜に往く。待合室にて岳母の社中に居たA木君に遇ふ。全くの奇遇にて新幹線も同じ列車也。名古屋に出張といふ。十時過ぎ新大阪に着き、N子と袂を別ち余は出迎への営業U氏の車にて得意先に赴く。午前中一件用談…

龍と文人画

一月十七日(火)晴 八時過ぎ新横浜発の新幹線で京都へ往く。奈良線に乗換へて東福寺に至る。徒歩東福寺に入り、方丈奥を左に曲がり堰月橋を渡り龍吟庵に行き着く。京の冬の旅の特別公開で、もとより余は初めての拝観也。現存する最古の禅院方丈にて国宝。方丈…

村山、置賜巡り

九月二十三日(金)晴 明くれば昨夜までの荒天が嘘のやうな爽やかな秋晴也。九時O氏ホテルに到着しO氏の車にて山形見物に出づ。まずは長井市内の大正期に建てられた洋館風の医院建築を二箇所見た後北上。途中鮎の簗場やおしんのロケに使はれた吊橋、棚田など…

鎌倉の桜

四月八日(金)晴風強し 有給休暇を取り、一時帰国中の友人と鎌倉の桜を見に行く。此れに際し有給取得の届を会社に出すのだが、わたしは事由欄に「花見」と書いた。普通は「私用」で済ますのを、時期だけに正直に書いたのだが、さういふ処が上役やお偉いさんに…

はつ桜

三月二十九日(火)晴 西山の大原野神社、正法寺、勝持寺、願徳寺、光明寺、楊谷寺を訪ねてから帰宅。中では正法寺の庭、願徳寺の国宝如意輪観音像が特に心に残る。 正法寺の石庭と勝持寺で見た今年初めての桜

梅と阿弥陀

三月二十八日(月)晴 小野の随身院に行き、梅園並びに庭園を拝観。梅は盛りを過ぎたれども、画に向く枝ぶり花の風情を探して楽しむ。其の後日野の法界寺にて国宝阿弥陀堂及び阿弥陀如来像を見る。 随身院庭園と梅園 どつしりとした構への国宝阿弥陀堂

琳派ふたたび

三月二十七日(日)十時過ぎ京都着。地下鉄にて今出川に往き相国寺拝観。開山塔と其の南庭、浴室を初めて見る。何故かは知らぬが今に残る京都五山のうち、此の相国寺だけは余り好きになれない。 相国寺龍渕水の庭 其の後上立売通を西に歩み妙顕寺に至るも本堂…

月曜の京都

三月七日(月)陰後晴 鷺森神社、曼殊院、赤山禅院、蓮華寺、実相院、岩座神社、妙満寺を回り帰宅九時前。花粉症に苦しむ。

お水取り

三月五日(土)晴 早朝出立。京都で神先生一行と落合ひ近鉄特急に乗り、十時半奈良着。車四台に分かれ唐招提寺、当麻寺を訪ぬ。奈良市内に戻り、神先生他男性四人で食事を取り、一人加はつて五人で十時前二月堂到着。内陣に入り修二会五日目の行事である過去帳…

妙心寺五塔頭巡り

一月三十日(日) 八時過ぎホテルを出で、本能寺の前にあるカフエで朝食を取り目の前の市役所前バス停から京都バスにて円町駅前に至る。昨日より寒さはかなり厳しい中徒歩七・八分で法輪寺に着く。臨済宗妙心寺派の寺院で達磨寺として知られる。三百円払つて…

石塔と若冲

一月二十九日晴 七時起床、八時前宿を出て地下鉄にて烏丸御池に到る。歩いて今日の宿に行き荷物を預けてから市役所前よりバスに乗る。京大農学部前で降り初めて京大構内に入る。入試の時期なるか構内人の姿少なく、一方で路上に置かれた自転車の多さに驚く。…

奈良逍遥

十二月十一日(土)晴 朝七時半に宿を出で、高畑町の志賀直哉旧居の脇を通つて春日の森に分け入る。まだ寒い中摂社を巡り若宮経由で春日大社本殿に至る。神札を購ひ国宝館に赴くも開館九時の為諦め、若草山の麓を抜け手向山八幡に詣づ。宇佐八幡の大仏開眼に…

幻住庵と城南宮

十二月十日(金)晴 早朝家を発ち新幹線にて京都に向ふ。午前中京都市内にて用談を済まし、昼前車にて大津の幻住庵に赴く。松尾芭蕉かつて此の地に逗留し『幻住庵記』をしたたむ。余二十歳の頃此の書を読み、以来訪ねむことを期すも果せず。今三十年の後此の…

鎌倉の日蓮

十一月二十一日(日)陰時々晴時々雨 暖かき秋の好日となる事を知り鎌倉散策に出づ。横須賀線及び北鎌倉駅周辺は正月の如き人出にて驚く。北鎌倉より円覚寺前を通り鎌倉街道に出て、狭い歩道を緩緩と歩む観光客を追越し、長寿寺横から亀ヶ谷切通しを抜けて扇…

黒谷・三条通り・飢餓海峡

十月三十一日(日)陰後雨 五時起床。昨夜の坐禅は永平寺を経たせゐか坐禅そのものは辛くはなく、其れなりに工夫は出来たと思ふが、其れでも雑念は去らない。暁天坐禅は恒例通り法堂で行ひ、丁度わたしの向いた方向が東だつたため夜明けと共に明るく成り行く…

日吉・石山巡礼

十月三十日(土)陰時々晴 心配された台風も近畿からは遠ざかり、終日傘を開く事もなし。七時過ぎホテルを出で京阪特急にて三条に出る。コインロッカーに荷物を預け、地下鉄、京阪経由で滋賀県の坂本に到る。坂本駅到着九時十五分過ぎ。駅近くの観光案内所に…

寺門と国宝

十月二十八日(木)雨 午後三井寺に往く。寺門として、また謡曲「三井寺」の舞台としても有名な園城寺也。大学入試の日本史で其の名を知つてより此の方長い事訪ねたく思ふも果たせずにゐたものなれど、竟に念願叶ふ。山門前の精進料理店風月にて「三井の晩鐘…

出羽三山

朝六時鶴岡駅前からバスに乗り羽黒山頂に至る。乗客は余の他に五名。此処で降りるのは余のみにて、他は其の儘月山八合目まで乗るやうである。七時前の清清しい空気の中人気のない境内を歩み、三神合祭殿に到り参拝。バスより途上に見た宮下坊などといつた建…

四天王寺

九時過ぎ新大阪に着き、地下鉄で天王寺に往く。徒歩にて四天王寺に至る。彼岸の時期に加へ二十二日は聖徳太子命日とて境内周辺参拝客、出店等で雑踏甚だし。かつ此の日は異例の暑さにて疲労困憊す。抑々四天王寺参詣を思ひ立つたのは過日「説経節」信徳丸を…