茶の道・千の道角

袴、茶、鮎、黒眼鏡

六月八日(土)晴 朝臨書、入浴の後余のみ着物に着替へて家人と車で家を出づ。まづガソリンスタンドで洗車してからクリーニング屋に行き冬物を出す。其れから大船まで往き、コインパーキングに車を停めて電車で鎌倉に向かふ。此の日は紬の一重に黒に近い茶の帯…

連休後半

五月五日(日)晴 この間の日々を記す。五日のうち三日着物を着ていたことになる。 五月朔日 朝から藤が丘の病院に往き診察を受け、午前中に家に戻る。昼過ぎ家人の知人であるKさんとその友人が来庵。嶺庵茶話会を開く。昼食の後、聞香を家人の点前にて為し、…

連休前半

四月二十九日(月)晴 此の連休の讀書には二つの柱がある。ひとつは宋代で、徽宗帝や水滸傳、開封といつたものが興味の中心である。『五代と宋の興亡』や宮崎市定の『水滸傳−虚構のなかの史実』を讀み終り、今は横山光輝の漫画『水滸傳』を讀み進めてゐる。此…

茶漬け

四月十四日(日)陰時々晴 土曜は茶の稽古、今日は三渓園の呈茶席にてボランティア。着物を着て、立礼席で点前もして観光客に抹茶を呈するのである。外国人には茶を点てる体験もして貰うことも出来る。岳母の社中の八人程が集まり順番に給仕もする。それ程客は…

茶會記

三月二十四日(日)陰後時々晴 豫報は雨なるも曇天にて午後は日も差す天気となる。暖かくはないがさう寒くもなく丁度桜も満開の好日、三渓園の茶會に行き一日閑雅な時を過ごすを得る。此れは横濱中央茶道會が主催する春季茶會にて、流派は表千家也。家人の習ふ…

書茶竹診察券

三月十六日(土)晴 早朝肩痛み眠られず。起き出して米芾の臨書。晝過ぎ家人と車で出で家人の實家に赴く。茶の湯稽古。櫻餅にて濃茶を喫す。茶道具と曜変天目に關するNHKの番組二本を録畫にて観る。夕刻尺八練習。松巖軒鈴慕を繰り返し吹く。夕食後歸宅。書…

茶の日 

二月二十四日(日)晴 朝目覚めるに頭痛あり。結局九時過ぎまで眠る。其の後急ぎ支度を為し家人と車で町田に向かふ。岳母の社中の茶之湯稽古也。徒然棚及び立礼の薄茶点前を二度為す。又、家人の点てし濃茶を喫す。主菓子はこぼれ梅也。其の後持参したDVDに…

文茶

二月十六日(土)晴 米芾の尺牘を半紙三枚臨書した後、午後三時まで某所に依頼されし原稿を認(したた)む。午前中にアマゾンより五冊本が届く。それらと原稿の資料に書棚より取り出せしギリシアローマ神話辞典などの書籍机上に山積す。ほぼ書き終へて車で家人の…

初釜

一月十九日(土)晴 昨夜毛筆にて料紙に認めた初釜の會記を持つて家人の實家に行く。岳母社中の初釜である。今回は一日に全員を呼んだこともあり、二つの班に分け茶席と同時に別室で聞香をして貰ふといふ趣向を試みた。点前は家人がやり、余が香道の説明をした…

茶竹雨 

十二月十五日(土)雨時々陰 未明突如激しい腹痛に襲われ目覚める。年に数回こういうことがある。胃腸は基本的に弱い。雨の中十時過ぎ家人と車で出て町田へ。岳母の社中で茶之湯稽古。夕刻尺八練習。明日の納会に向け一閑流六段をしつこく練習。夕食のすき焼…

百合根きんとん 

十二月九日(日)晴 茶之湯稽古。山里棚にて薄茶濃茶各一囘点前を為す。濃茶の主菓子は若柳製百合根きんとん。晝食には岳母の手になる粕汁を食す。鮭の風味も良くなり極めて美味なり。社中の門弟皆お代りをして賞味す。夕刻呉服商越後屋さん來り、先日求めし…

大樋焼 

十一月二十五日(日)陰 八時起床。午前中は揮毫。晝食後眠氣甚しく仮眠。二時前家人と出掛け横濱高嶋屋七階美術画廊に赴く。大樋長左衛門の作品展の呈茶席に岳母の師たる関先生を訪ね、岳母ともども挨拶の後一茶を喫す。出されし茶菓まづし。甘さくどく驚く…

雨中竹茶 

十一月十七日(土)陰後雨 八時家を出で十時より一如庵にて尺八稽古。大和樂、布袋軒鈴慕の後越後三谷二囘の後一尺八寸にて流し鈴慕曙調子を二度吹く。十一時半辞して古本屋を見るも得る物無く、晝食の後電車を乘り繼ぎつくし野に至り、徒歩家人の實家に赴く…

京都の休日 十一月十日(土)晴時々小雨

宿の近くの喫茶店でモーニングの朝食の後地下鐡にて丸太町へ。徒歩京都御苑に入り、無料公開中の閑院宮邸跡を見た後拾翠亭に至る。九条家の屋敷の一部、茶室として建てられし江戸期の建物也。九条池に面し、紅葉も眼下に眺むる好適の立地なり。余は予てより…

炉開き 

十一月四日(日)快晴 十一時より岳母の社中にて炉開き。晝に汁粉を食す。久しぶりの炉の点前も良きものなり。此の日は朝から腹の具合惡く夜は自宅に戻り粥を食す。入浴して十一時過ぎ就寝。

茶と花火 

十月二十日(土)晴 午前中嶺庵の掃除と衣更へを為す。晝前一人家を出で電車を乘り繼ぎつくし野に至る。岳父が車で迎へに來て呉れ家人の實家へ。丁度午前中の稽古が終はり皆で晝食を取る際中にて余も加はつて晝食と為す。薄茶一囘、包み袱紗一囘点前の後四時…

きんとん 

十月七日(日)雨後陰 十時過ぎ車でN子の實家に赴き、晝食を挿んで三時過ぎまで茶の湯の稽古。少人數なれば人の稽古も見て、合間は雑談をするなど樂しく過す。門人三人は去り殘りたる内輪の者にて珈琲を飲み、其の後近くに買物に出て戻れば既に夕刻となり、…

脱稿

九月二十三日(日)雨 午前原稿の手直し。晝前家人と車にて出で茶の稽古に赴く。余は初めて濃茶の点前をやる。夕刻歸宅し再び原稿に向かふ。夕食後竟に脱稿。早速メールにて送付。何だか一寸氣が抜けたやうになる。執筆中は終へたらあれもしやうこれもやりたい…

茶の湯と讀書

八月十九日(日)晴 一昨日『学力と階層』、今日『昭和のエートス』讀了。両書とも世上に流通するマスコミ的論調や効いた風な論説といつたものの考への足りぬ点を鋭く指摘してくれる點で痛快な本である。教育に於ける格差の存在といふ厳然たる事実、教育を市場…

熱闘 

七月二十九日(日)晴 午前岳母の社中にて茶の湯稽古。午後岳父と高校野球神奈川大会決勝をテレビにて観戦す。昨日セーフテイバントを三塁線に転がし三連続のバントヒツトを決め満塁とした挙句に満塁本塁打を放つて準決勝でコールド勝ちを収め余を驚かせた桐…

絽の着物

六月三十日(土)晴後陰 午前中車の六か月点検に行つた後N子の実家に往き午後は茶の湯。濡れ茶巾の点前を前回に続き三回ほど稽古。夕方越後屋さんが余の絽の着物と帯を持ち來る。絽の長着、麻の長襦袢とも反物で見たときより遥かに粋にて嬉しくなる。しかも…

茶の日

六月十七日(日)陰時々晴 岳母の社中にて終日茶の湯。稽古以外の来訪者も多く、赤ん坊ふたりを含む三組の夫婦來る。いづれも夫婦のどちらかが茶を習ふが、岳母のもてなしと美味しい食事に釣られて多くの人がやつて來るのである。又、呉服商の越後屋さんが絽の…

枯山水・茶室・三門

六月五日(火)陰 七時半起床。九時前ホテルを出で地下鉄にて蹴上に到り、徒歩南禅寺に向かふ。金地院を初めて拝観。今まで南禅寺は何度となく訪ねてゐるし、隣の天授庵などは数回拝観してゐるのに、何故か不覚にも此処は訪ねずにゐた。今回偶々僅かの時間を得…

呈茶席

六月二日(土)晴後陰 着物を着けN子と車で家を出で、根岸駅にて岳母とI先生を乗せて三渓園に赴く。準備・練習の後望塔亭にて呈茶席に参ず。四時までの間に百人以上の客に薄茶を出す。余は立礼席での点前を十回近くやり、手順や所作をかなり習得す。点前の様…

点茶と乾杯

五月二十七日(日)晴 七時半起床。入浴・朝食の後書斎にて毛筆を執り挨拶文を半紙に認め、着物に着替へてからN子と電車にてN子の実家に行く。茶の湯の稽古なるも、直前に都合の悪くなる者続出し、結局余とN子と義妹の他は初参加のN子の友人一人にて、内輪…

炉仕舞

四月二十九日(日)晴 昼過ぎ車にてN子の実家に赴く。次回より風炉なれば炉の最後にてN子による炭点前を皆で見た後全員で昼食をとり、其の後稽古を続く。今日は生徒がN子と余の他は五人程にて順番に楽しく稽古を為す。濃茶では味噌餡の絶品の柏餅にて一茶を…

茶道楽

四月二十一日(土)陰 十一時にN子の実家に到着。岳母の社中のお稽古である。人が多いので一度薄茶を喫しただけで一時前昼食となり、午後は若い女性たちに交じつて札を引いて役割を決めて遊ぶ花月といふ稽古をやる。幸ひ点前も正客にも当たらずただ濃茶と薄茶…

柴又茶会

三月二十五日(日)晴後陰一時小雨 六時に起き入浴の後着物に着替へN子とともに八時前家を出づ。日暮里まで京浜東北で行き、京成に取り換へ高砂経由柴又に至る。義妹Kの姿既に在り。駅前に寅さんの彫刻あり。写真機に収む。 其の後倶に柴又帝釈天として知ら…