新聞派

新年になってから、ネットニュースを(新聞社のニュースサイト含め)見ないことにした。また、ユーチューブも何かのリンクでない限り見ないことにした。そして、新聞を読むことにしたのである。朝起きて顔を洗ったら、まず近くのコンビニエンスストアに新聞…

人工知能の向かうところ

西垣通著『AI原論』(講談社選書メチエ)を読み終えた。何気なくAIについて知りたいと思って手にした本であったが、内容は予想を良い意味で大きく裏切り、AIを軸にしながらも西洋哲学史を総覧したような、実に充実した読書となった。西垣通という人の考え方…

たくさん嫌い

少数であるうちはとても好きなのに、多数になると嫌いになることが多い。若くてかわいい女の子は大好きなのだが、それが大勢になるととたんに嫌になる。三人くらいなら、その中の好き嫌いがはっきりして、一番好きな娘が確定すると同時に他のふたりの個性を…

書初め

午後、書初めをなす。毎年恒例となった、余と家内の今年の抱負と目標を半紙に毛筆で認める。その後お初香で筆者を務めることになったので、記録の練習をする。今年は萬歳香とのことで、書くことが多くて大変そうである。その後、手すさびで松岡流の書をもの…

紅白雑感

今年の大晦日は大好きなベビーメタルが出るというので久しぶりに紅白歌合戦を見た。といっても最初から見たのではなく、出番の少し前から音を消してテレビをつけていた。司会が、大好きな二階堂ふみと大嫌いな大泉洋の、その間に好きでも嫌いでもなく単に興…

嫌ひなことば遣ひ

いい歳をした大人が「はずい」だの「むずい」などと言つてゐるのを耳にすると、殆ど生理的な嫌惡を覺える。「まるつと」「しらつと」なども耳障りである。さういふことば遣ひをする人は語彙力が貧弱なのか大抵同じ語を繰り返すので、如何にも頭が惡さうに見…

悲しい現実

四年半の懲役を経てシャバに出て、いざ元いた組に戻れると思ったら、因果を含めて自分を刑務所に送り出した組長はすでに破門となっておらず、跡を襲った新しい組長に「この組にお前の戻る場所はない。旅に出るかカタギに戻るか好きにしろ」と言われた、…そん…

裸顔(らがん)

昨夜は今年唯一の忘年会であった。麻布十番の店で、三十になったばかりのバツ1の若く美しい女性Sさん、彼女よりひとつふたつ上で現在妊娠中のAさんと私の計三人の密会である。何故か三人は気が合って、いつも楽しい飲み会になるのだが、この日はまたべつの…

線と地形

原武史『「線」の思考』読了。期待したほどには面白くなかった。鉄道路線と近代の歴代天皇や皇族と宗教を掛け合わせたアイデアは良いのだが、単なる旅行記事のようでもあり、ビジュアルがない分航空会社の機内誌の紀行文より退屈なものも少なくなかった。『…

クリスマスの大罪

私は仏教徒なのでクリスマスに興味はない。それでも、世の中が騒ぐこのクリスマスというものの犯す大罪については触れておきたいと思う。 先日WHOが全世界の子どもに向けて、サンタはコロナに免疫があるから高齢でも心配ないと発表したというニュースを見た…

整理と準備

書斎の片づけを始めた。年史編纂中のゲラや資料の類がまだ大量に机周りに残っていたのを処分し、必要なものは仕分けをした。併せて、積んであった古文書関連や楠香関係の史資料の整理もしている。金曜に卒論で甲斐荘楠香を含む日本の香料産業の黎明期につい…

パリの調香師

『パリの調香師』という映画を観た。何とも言いようのない映画であった。 試写会の券を貰ったので京橋まで行って来たのだが、出口で関係者にどうでしたかと聞かれて、「何とも…」としか答えられなかった。元調香師として気の利いたことを言おうにも、映画と…

似て非なるものの好き嫌い

顔や名前や雰囲気や芸風が似ているのに、一方は好きで他方は嫌いということがよくある。一方がすごく好きだから、微妙に違う他方が嫌いになることもあれば、もともとそれぞれ好き・嫌いだったのだが、改めて考えてみると似ていることもある。人それぞれの好…

純粋讀書

カレル・チャペックの『未來からの手紙』を讀んでゐる。小説ではなくエッセイの部類に入るのだらうが、とても面白い。優れた知性と時代への透徹した分析力、そしてユーモアが混合された文章はただただ面白く讀める。というより、面白いから讀んでゐるのであ…

今日のひと言

奢る上司は貧しからず。

危なげなし

ホークス4連勝で日本一。めでたい。始まる前は和田先発ということで、速い球の打てない巨人打線に唯一つけ入られる隙があると思っていた。初回こそ確かに心配だったが、1点で抑えてその裏あっさり柳田のホームランで逆点。さらに2回に甲斐のホームランで突き…

圧勝

ホークス連勝。投手力、打撃力、守備力そしてチーム内の競争の厳しさ、どれをとってもホークスが圧倒的に上であった。強いの一語に尽きる。満塁の場面で巨人のポンコツ中島は三振、デスパイネはホームラン、この差がすべてを物語っている。死球にすぐ激高す…

快勝

ホークス快勝。最後は森がバタバタしたが、危なげのない勝ち方であった。千賀はさすがだし、爽やかなイケメン栗原の活躍、周東の脚を使った抜け目のない追加点など、大嫌いな巨人を懲らしめてくれて心地よい気分である。巨人は菅野、坂本、岡本、丸を除くと…

本末転倒怒り心頭

通勤で家から駅に向かう途中に片側二車線ずつの道路が交わるわりと大きな交差点がある。そこの信号は歩車分離となっているから一斉に歩道者向けの信号が青くなる。いわゆるスクランブル交差点である。わたしは駅の方向に行くため斜めに横断しているし、多く…

絶対と白と地形

カレル・チャペックの『絶対製造工場』読了。面白かった。原子力を彷彿とさせる、「完全燃焼」によって生じたエネルギーがその場に居る人間にそれぞれの「絶対」を確信させることで生じる軋轢。さまざまな宗教やイデオロギーの衝突による世界の荒廃を戯画的…

ハードバンクス

パリーグCS終了。地力で勝るホークスが順当に二連勝。王者相手に拙守拙攻では勝てるわけがない。まあ、その程度のチームではあるのだが、ロッテは。西武がそのロッテに競り負けたのが悔やまれる。西武なら負けるにしてもあんな負け方ではなかったように思わ…

百年の分解

京都にあるCDIというシンクタンクから『五〇年後のために』という本を贈って貰った。創立50周年記念誌だという。50周年の50年後は計100年だから、百年史を校了したばかりのわたしにとってタイムリーな書物である。1970年に「京都の人文系の学者グループと、…

星の確かさ

在宅勤務が始まったころにアマゾンプライムに加入して以来、暇な時に映画を観ることが多くなった。今年130本以上を観ているが、面白い映画というのは驚くほど少ない。単なる暇つぶしになればいい方で、多くは観たことを後悔するものばかりである。その中で学…

嫌悪と麻痺  

アメリカという国に対して多くの国の人々が複雑な感情を持っていただろうと思う。憧れや敬意と同時に嫌なもの、嘘くさく空しいものを感じてもいたのではないかと思うのである。しかし、この四年でまったくの嫌悪と軽蔑に変わってしまったように思われる。あ…

虚栄の市

先日、会社を辞めた若い女性とランチをする機会があった。3月に退社してすぐコロナとなり、転職活動もままならなかったらしいが、やっと就職先も決まったのでお祝いのランチである。 その時、やはり新しい職場で未知の人の中に入ることへの不安を彼女は口に…

西武終戦

今年も何かが足りなかった。去年の首位打者とホームラン王がともに不振ということもあるし、秋山の抜けたのも大きい。しかし、森脇、平良、増田ら中継ぎ以降の投手陣の踏ん張りで、去年までとは打って変わって接戦をものにしてきた。それでも勝ちきれなかっ…

盛りもの

11月3日、家内の習っている流派の煎茶道の茶会があり出掛けてきた。久しぶりに着物を着ての久しぶりの茶会である。グランドプリンス新高輪の離れにある和室で小間の玉露、煎茶、大寄せでの酒席など三席に入る。煎茶道では床に盛物と呼ばれる飾り物を置く。花…

嘗ての書き捨て

以下は、ずっと前に書いたままこの日乘にあげなかったものである。くだらない読み物だが一応あまりに間の空いてしまった責めを塞ぐ思いで載せる。ぼちぼち再開していきたい。ちなみに下記にある年史の校正は昨週に終えたばかりである。 枯れた、厭きた、草臥…

茶の湯の危機

今回のコロナ禍で思いもかけない形で影響を受けた職種や職業は少なくない。今までの生活が、人の移動の自由や密な空間、人と人との接触という、今や当たり前のことでなくなってしまったことを前提として成り立っていたことに、現代社会としては初めて気づか…

書店

暑い中横浜に出て、コンタクトレンズを購う。消費税還元の期限が迫り、また誕生月の割引が重なって安く買える最後のチャンスだったからである。その後久しぶりに新刊書店を覗く。義父より図書カードを貰ったので、それを使って何か買おうと思ったのだが、驚…